膀胱がんの特徴や症状について
膀胱がんの平均発症年齢:50代~70代
膀胱がんとは腎臓で作られた尿を一時的に貯めておく袋状の臓器にできるがんで、比較的に早期発見されやすいと言われています。
目で見て分かる血尿(赤色や茶色)が出ることで分かることがほとんどです。他にも頻繁に尿意を感じたり、排尿するときに痛みを感じるなど、膀胱炎のような症状がでることもあります。
女性に比べて男性の方が膀胱がんになる確率は高く、60代以上の高齢者に多く見られます。
ゴム、皮革、織物などに用いられる染料にくり返し接する仕事をしていたり、喫煙歴があると膀胱がんになるリスクが高まるという報告があります。
痛みを伴わない血尿は初期症状として頻繁に見られるので、気づいたら早めに医療機関を受診しましょう。
膀胱がんのステージ別5年生存率
膀胱がんのステージ別5年生存率データ
膀胱がんの各ステージにおける5年生存率
ステージ1 91.8%
ステージ2 73.2%
ステージ3 59.0%
ステージ4 17.4%
血尿などの症状で早期に発見されやすく、手術率も高いです。
血尿などの症状で早期に発見されやすく、手術率も高いです。
膀胱がんと3大標準治療の適応度
手術
膀胱がんの治療は一般的にTUR(経尿道的切除術)と言って、腹部を切らずに尿道から電気メスなどの器具を挿入して行います。 腫瘍が悪性の場合はもう一度TURを行ない、削り残しや浸潤が無いかを確認します。
抗がん剤
膀胱がんの手術(TUR)が終わると抗がん剤を注入し、経過観察を行います。 抗がん剤単独では治癒する可能性が低いので、手術や放射線治療を併用することが多いです。
放射線
膀胱がんの場合、放射線治療はあまり行いません。 QOLの改善を目指して試みられてはいますが、まだまだ研究段階です。
膀胱がんに効果が期待できる最新医療
がん遺伝子治療
がん遺伝子治療は転移してしまった膀胱がんに対して効果的な働きをします。 膀胱がんは前立腺や子宮、直腸などの近接部位に浸潤しやすく、転移してしまった場合は手術が難しくなります。 また手術によって膀胱を全摘出すると、尿路変更を行わなければならなくなり、QOLの低下を招いてしまいます。 抗がん剤の副作用が強く、非常につらい治療となりますので、がん遺伝子治療と併用することで副作用を抑えながら治療が出来ます。
免疫細胞治療法
手術後に膀胱がんが再発したり、多発リンパ節転移が認められる場合、免疫細胞療法も視野に入れると良いでしょう。 抗がん剤や放射線治療の効果が無く、予後が悪い進行性膀胱がんに対して、免疫細胞療法と放射線治療を併用することで腫瘍の縮小と消失が認められたケースがあります。 他の治療で効果が見られないときに、免疫細胞療法は有益な治療法であると考えられます。