甲状腺がんの特徴や症状について
甲状腺がんの平均発症年齢:40代~60代
甲状腺とは、喉ぼとけの下にあるホルモンを分泌する器官です。子どもの頃は成長に関わり、大人になると新陳代謝を調整します。
甲状腺の病気は男性よりも女性に多く、甲状腺にできる腫瘍のうちほとんどは良性のものです。しかし中には悪性の腫瘍もあり、それが甲状腺がんです。
甲状腺がんは、他のがんに比べて進行が遅く、比較的治りやすいがんと言われています。
放射線の被ばくによりがんになるリスクがあるとされていますが、その他の原因は分かっていません。
自覚症状は少なく、しこりに気づいて診断する場合や、声のかすれ、喉の痛み、呼吸のしずらさを感じて病院を受診することがあります。
高齢になるほど悪性度が高くなる傾向がありますが、過度な心配はせずに早めに専門家に見てもらいましょう。
甲状腺がんのステージ別5年生存率
甲状腺がんのステージ別5年生存率
甲状腺がんの各ステージにおける5年生存率
ステージ1 100%
ステージ2 100%
ステージ3 98.9%
ステージ4 71.2%
体表に近いがんですが、自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることが多いです。
しかし、手術率は高く、5年生存率も非常に高いのが特徴です。
甲状腺がんと3大標準治療の適応度
手術
甲状腺がん治療の基本は手術になります。手術の基本方針は2つあり、1つは甲状腺がんを全摘出して、生涯、ホルモン療法を行うというもの。もう1つが甲状腺を温存して、なるべく術後の補助療法は行わないというものです。
抗がん剤
甲状腺がんの場合、抗がん剤治療は遠隔転移している時に使われるケースがありますが、甲状腺がんに対する有効性はあまり高くありません。
放射線
甲状腺がんに対して、放射性ヨード内服療法といわれる治療が行われることがあります。 これは海藻類等に含まれるヨードが体内では甲状腺だけに取り込まれる性質を応用した治療で、ヨードに放射能をつけてカプセルに入れて内服します。
甲状腺がんに効果が期待できる最新医療
がん遺伝子治療
骨やリンパ節などに転移してしまった甲状腺がんに対して、有効な治療法が少ないときに遺伝子治療は良く選ばれています。点滴によって全身に作用するので、転移してしまったがん細胞の縮小や消失に期待ができ、さらに放射線治療と併用することで、治療効果増加します。苦痛を伴わず、副作用がほとんど無いため、体力の衰えた方でも治療が可能で、生活の質を下げることがありません。
免疫細胞治療法
甲状腺がんの治療に免疫細胞療法を加えることで、保険診療だけでは治療が難しい甲状腺がんの克服を目指すことが可能となります。皮膚や肝臓、腎臓、肺、脳などの全身に転移してしまった甲状腺がんに対して免疫細胞療法が用いられたケースで、訳3割の方が腫瘍の縮小や進行が止まった症例などがあります。自身のがん細胞に対する免疫力を活性化させることでがんを死滅させる治療法なので、副作用も少なく日常生活に支障が出ることもありません。