喉頭がんの特徴や症状について
喉頭がんの平均発症年齢:50代~80代
人間の喉は喉頭(こうとう)と咽頭(いんとう)で分かれており、喉頭は舌の付け根から声帯を通って気管につながる部分で、咽頭は鼻から食道につながる空気や食べ物の通り道をさします。
がんの発生部位により、喉頭がん3種類、咽頭がん3種類の計6つのがんに分けられます。
ミュージシャンで音楽プロデューサーのつんく♂さんが喉頭がんになり、声帯を摘出したニュースをご存知の方は多いのではないでしょうか。
がんが発生した部位によって症状が異なり、食べ物を飲み込むときに違和感があったり、声のかすれ、耳のまわりの痛み、扁桃腺が腫れることで気が付くこともあります。
発生確率は女性よりも男性の方が10倍ほど高く、患者さんの90%以上が喫煙者と言われています。
喉頭がんは他のがんと同様に早期発見が非常に重要です。治癒率は80%弱と高い方ですが、早期に発見すれば声を失うことなく治癒することが可能です。
少しでも違和感を覚えたら受診することをおすすめします。
喉頭がんのステージ別5年生存率
喉頭がんのステージ別5年生存率データ
喉頭がんの各ステージにおける5年生存率
ステージ1 97.8%
ステージ2 84.9%
ステージ3 82.2%
ステージ4 46.4%
喉頭がんの罹患者数は少なく、発見も比較的早いです。
手術率は40%程度と低く、Ⅲ期までの生存率は高いですが、Ⅳ期になると50%を下回ります。
喉頭がんと3大標準治療の適応
手術
喉頭がんの治療は手術、または放射線治療が中心となります。 部位によって声帯を残せるかどうか違ってきます。 機能低下を最小限に抑えた治療や再建手術もよく行なわれています。
抗がん剤
進行性の咽頭がんに対しては、抗がん剤治療が行なわれることもあります。 腫瘍が大きく、切除による機能低下が考えられる場合、放射線治療と組み合わせた抗がん剤治療をするケースもあります。
放射線
喉頭がんを早期発見した場合は、放射線での治療が中心となります。 喉頭を切除しないので声も自然のまま残ります。照射できる量に限界があるので、進行したがんに対しては限界があります。
喉頭がんに効果が期待できる最新医療
がん遺伝子治療
がん遺伝子治療は進行してしまった喉頭がんに対しても、切除せずに治療することが可能です。 大きくなりすぎてしまって放射線では限界がある喉頭がんに対しても、遺伝子治療を組み合わせることで相乗効果が期待できますし、さらに抗がん剤での治療を組み合わせることで、切除せずに治療できる可能性が高まります。 手術によって切り取ってしまうよりもQOLの低下を防ぐという意味で、がん遺伝子治療は有効です。
免疫細胞治療法
抗がん剤や放射線治療の効果が期待できない喉頭がんに対して、免疫細胞療法も効果的な治療法の1つです。 再発を繰り返すような根強いがんに対して、体内の免疫力を活性化させることで転移を予防し、喉頭がんの進行を止めて腫瘍の縮小させる効果が期待できます。 標準治療の選択肢が無くなってしまった喉頭がんに対して、様々な治療法と併用することで相乗効果を期待できます。