卵巣がんの特徴や症状について
卵巣がんの平均発症年齢:40代~50代
卵巣がんは40代から増加しはじめ、50代から60代がピークで、高齢になるほど死亡率が高くなります。
初期症状がほとんどなく、腫瘍が大きくなるにつれてお腹が膨らむこともあります。
乳がんや子宮がんのように検診による早期発見があまり行われていないので、子宮がん検診のときに一緒に卵巣も確認することで発見確率が高くなります。
早期発見された場合は片側の卵巣を切除するだけで完治するケースもあります。
近親者に卵巣がんにかかった人がいる場合は、いない人に比べて発症確率が高いと言われています。
また出産歴がない場合に卵巣がんの発生リスクが高まることが指摘されています。
お腹が張るなど気になる症状が続く場合は、早めに産婦人科などの医療機関の受診をしましょう。
卵巣がんのステージ別5年生存率
卵巣がんのステージ別5年生存率データ
卵巣がんの各ステージにおける5年生存率
ステージ1 89.1%
ステージ2 68.6%
ステージ3 39.7%
ステージ4 26.8%
早期発見が多く手術率も高いですが、腹膜播種をおこしやすいため進行が早いです。
Ⅰ期では90%ほどの生存率もⅢ期以降は40%を下回ってしまいます。
卵巣がんと3大標準治療の適応度
手術
卵巣がんの治療は基本的に手術によって子宮全摘出、両側の卵巣の切除、隣接しているリンパ節の切除などを症状に応じて行います。 進行性の卵巣がんの場合は手術の前に抗がん剤治療を行なうこともあります。
抗がん剤
卵巣がんには4つの種類があり、それぞれ抗がん剤の効果が異なります。 抗がん剤の効きやすいタイプと効きにくいタイプがあるので、使用される抗がん剤も組織型によって決まります。
放射線
卵巣がんの治療法として昔は放射線治療も多く行なわれていましたが、今では放射線治療よりも抗がん剤の有意性が確認されたので、あまり選択されません。 しかし、胚細胞腫瘍の場合に限り放射線が治療に使われることもあります。
卵巣がんに効果が期待できる最新医療
がん遺伝子治療
Ⅲ期やⅣ期の進行してしまった卵巣がんを手術や抗がん剤で治療しようとすると半年から1年ほどの時間が必要となります。その間に、治療による副作用を軽減する目的でがん遺伝子治療を行なうケースがあります。がん遺伝子治療は抗がん剤の副作用を抑えて、全身に転移しているであろうがん細胞を自然に死滅させていくので、三大標準治療との相性も良く早期回復が期待できます。また早期の卵巣がんの場合、手術による摘出をせずに腫瘍を消滅させて完治を見込める可能性もあります。
免疫細胞治療法
卵巣がんは、痛みや出血などの自覚症状がほとんどないため、半数以上が進行した状態で発見されます。リンパ節などに転移が見られるⅢ期以降の卵巣がんの新しい治療法として、免疫細胞療法が注目されています。従来の抗がん剤のような吐き気や身体のだるさ等、QOLを低下させるような副作用が比較的少なく、腫瘍が完全消失した事例もあります。多くの病院で治験が行われており、数年以内には抗がん薬として承認される可能性が考えられています。