子宮がんの特徴や症状について
子宮がんの平均発症年齢:50代~60代
子宮がんは、膣と子宮がつながっている箇所である子宮頸部のがんと、胎児を育てる子宮体部のがんの2種類があります。 子宮頸部に発生したがんを子宮頸がん、子宮体部に発生したがんを子宮体がんと呼び、子宮頸がんは20代から発症することが増えているのに比べて、子宮体がんは50~60代で発症のピークを迎えます。 どちらも初期症状はほとんどありませんが、子宮頸がんは検診する人が多く初期に発見されるケースが増えてきました。 どちらもヒトパピローマウイルスに感染して発生することが分かっており、主に性交渉で感染します。 ヒトパピローマウイルスには複数の型がありますが、最近、一部の型のウイルス感染を予防できるワクチンが使用可能になりました。 早期発見ができれば治る確率は非常に高いので、20代から積極的に定期健診やワクチン接種を受けるようにしましょう。
子宮がんのステージ別5年生存率
子宮がんのステージ別5年生存率データ
子宮がんの各ステージにおける5年生存率
ステージ1 93.7%
ステージ2 77.2%
ステージ3 57.1%
ステージ4 21.2%
早期の発見が多く、手術率も高いため、Ⅱ期までの生存率は高いです。
しかしⅢ期では60%程度、Ⅳ期では20%程度まで下がってしまいます。
子宮がんと3大標準治療の適応度
手術
子宮頸がんの場合、手術により切除を行うことが一般的ですが、若い患者様に対して妊孕性温存のために放射線治療が選ばれることも多々あります。 子宮体がんの場合は、子宮全摘出が標準的な治療となります。
抗がん剤
抗がん剤治療は進行してしまった子宮がんに対して、症状を抑える目的で行います。 また近年では腫瘍の縮小を計った後に根治手術が行われたり、放射線と一緒に治療する方法も登場しています。
放射線
早期の子宮がんに対して、子宮を温存する目的で放射線治療が行なわれています。 進行が進んだがんに対しては、抗がん剤治療と併用して行わせるケースもあります。
子宮がんに効果が期待できる最新医療
がん遺伝子治療
手術が受けられないほど進行してしまった子宮がんに対して、がん遺伝子治療が選ばれています。 全身に転移しているだろうと考えられる進行性の子宮がんに対して、点滴による全身作用で体内からがん細胞を消していくので、高い効果が期待できます。 遺伝子治療により手術が受けられるまで回復するケースもあり、抗がん剤や放射線と併用することで受けられる治療の幅が広がります。
免疫細胞治療法
体中に転移してしまった子宮がんの治療に、免疫細胞療法という選択肢もあります。 放射線治療や抗がん剤の効果が期待できないほど進んでしまった子宮がんでも、腫瘍マーカーの値を下げ、腫瘍を縮小させる効果も認められています。 個人差が大きい治療法ですが、効果がある時は末期の子宮がんを完治まで持ち込むことができる可能性を秘めた治療法です。