膵臓がんの特徴や症状について
膵臓がんの平均発症年齢:40代~60代
膵臓とは、胃の後ろにある20cmほどの臓器で、脂肪の消化を助ける膵液を分泌したり、インスリンやグルカゴンという血糖値の調整をするホルモンを分泌する重要な臓器です。
この膵臓に発生するのが膵がんで、自覚症状はほとんどなく、他の臓器に転移したり進行した状態で見つかることが多いです。
一般的に抗がん剤や放射線などの治療効果が低く、外科手術で切り取ることが多いのですが、およそ8割の方は手術ができないほど進行した状態で見つかります。
膵臓の周りには胃や大腸・小腸をはじめ様々な臓器が囲っているので、がんが発生しても見つけるのが難しい上に、どのような人が膵臓がんになりやすいのかも分かっていません。
糖尿病や肥満、喫煙などが危険因子として挙げられていますが、どうしたら早期発見ができるかという研究が今もまだ続けられています。
膵臓がんのステージ別5年生存率
膵臓がんのステージ別5年生存率データ
膵臓がんの各ステージにおける5年生存率
ステージ1 40.5%
ステージ2 18.2%
ステージ3 6.3%
ステージ4 1.6%
膵臓がんは非常に発見されにくく、多くがⅣ期での発見で最も予後が悪いのが特徴です。
Ⅰ期での生存率も40%程度でⅡ期でも18%、以降は数%しかありません。
膵臓がんと3大標準治療の適応
手術
保険診療で膵臓がんを治す方法は唯一、手術だけが有効な治療法となります。 もし診断により手術できないと言われた場合、セカンドオピニオンを求めるのも重要です。
抗がん剤
膵臓がんに対する化学療法は、手術が出来ない患者様に対して行なわれます。 手術ができるかどうかの境目にある状態の場合、先行して抗がん剤治療が行われることもあります。
放射線
膵臓がんの放射線治療は、抗がん剤治療と同じように手術が出来ない患者様に対して行われます。 特に痛みが強い局所進行膵臓がんに対して行われることがあります。
膵臓がんに効果が期待できる最新医療
がん遺伝子治療
膵臓がんは手術が出来る状態で見つかるのは2割程度と言われています。 それ以外の進行してしまった膵臓がんに対して、がん遺伝子治療は非常に高い効果を示しています。 肝臓に多発転移してしまった患者様や、肺多発転移で入院中だった患者様に対しても、遺伝子治療を併用することで腫瘍の縮小や消滅が認められました。 転移前や後に関わらず、膵臓がんが見つかったら遺伝子治療を検討することをおすすめします。
免疫細胞治療法
経過が良くない膵臓がんに対して、免疫細胞療法も近年行われています。 試験段階ではありますが、自らの免疫力を高める治療により腫瘍を縮小させる効果が認められています。 副作用も少なく、抗がん剤治療との併用も可能なので、手術が出来ない膵臓がんに対して放射線や抗がん剤と一緒に受けることで、相乗的な効果が期待できます。