腎臓がんの特徴や症状について
腎臓がんの平均発症年齢:40代~60代
腎臓がんとは、血液をろ過して尿を作る部分と、作られた尿を膀胱へと送り届ける尿路の部分にできるがんで、2つのがんの性質が違うために別々のがんとして扱われています。
初期症状がある場合とない場合で分かれますが、尿路にがんが出来た場合は肉眼でもわかる血尿が出ることがあります。
腎臓がんが進行すると、食欲不振や体重減少、倦怠感や貧血といった全身症状があらわれます。
これらの症状があらわれている場合は肺や骨など他の臓器へ転移していることがほとんどです。
遠隔転移した状態で発見された腎臓がんは、治療方法が限られてしまうので、そうなる前に定期的な検査でチェックをするようにしましょう。
腎臓がんのステージ別5年生存率
腎臓がんのステージ別5年生存率データ
腎臓がんの各ステージにおける5年生存率
ステージ1 97.5%
ステージ2 81.6%
ステージ3 71.3%
ステージ4 18.5%
血尿などの症状で早期に発見されやすく、手術率も高いです。
早期の5年生存率は高いですが、Ⅲ期では70%程度、Ⅳ期では20%を下回ります。
腎臓がんと3大標準治療の適応
手術
腎臓は体内に2つある臓器のため、がんが出来た方の臓器を手術によって摘出するのが治療の基本です。 がん腫瘍だけを切除する部分摘出手術が行われることもありますが、再発率や生存率に変わりはありません。
抗がん剤
周辺臓器への浸潤や遠隔転移が認められる腎臓がんの場合、抗がん剤治療が行われることがあります。 また手術前に腫瘍を小さくする目的で抗がん剤治療が行われることもあります。
放射線
腎臓がんに対しては放射線治療の効果があまりよくないため、腎臓にある腫瘍に対しては放射線照射を行うことは少ないです。 しかし、骨や周囲の臓器に転移した場合などは治療目的で放射線を照射することもあります。
腎臓がんに効果が期待できる最新医療
がん遺伝子治療
腎臓がんは初期症状が無いケースが多く、進行した状態で見つかることも有ります。 その場合、手術による切除範囲を小さくしたり、抗がん剤の治療効果を上げる目的で遺伝子治療を行なうことがあります。 がん遺伝子治療は全身転移を縮小・消失させる効果が期待でき、手術直後の抗がん剤治療とも高い相乗効果を示します。 腎臓がんに対する標準治療の欠点をカバーすることで再発率を下げることが出来ます。
免疫細胞治療法
腎臓がんの治療は手術が基本となりますが、転移がある場合や合併症のため手術が難しい場合は免疫細胞療法を行うことがあります。抗がん剤を使ってもがんを消失させることが難しい腎臓がんに対して、免疫細胞療法を併用することで腫瘍の縮小効果が期待できます。また遠隔転移や骨への転移が見られる場合、保険療法では根治する見込みが低いと思われる症状に対して、免疫細胞療法は高い効果を発揮します。